検索エンジンから直接いらしたかたへ。
ここは鷹狩りに関するページです。好まれないかたはすみやかに閲覧を中止なさってください。

 FAQ A1 鷹狩り

 

そもそも鷹狩りって?

 「何々狩り」の「何々」には、狩りの対象となる獲物が入る場合(ウサギ狩り等)と、狩りの手段・方法が入る場合(巻き狩り)とがありますが、「鷹狩り」という場合は後者を指します。「鷹を捕る」のではなく「鷹で捕る」のです。
 鷹狩りとは何かといえば、「訓練した猛禽類を使役して野生の鳥獣を捕獲する狩猟法」ということになります。

鷹狩りに使うのはどんな種類?

 地域によって、また時代によって異なります。
 そもそも(これも分類学者の考えによりますが)、猛禽類には、約430〜500種ほどが含まれます。以前は大きな1つないし2つのグループからなると考えられていましたが、いまではいろいろとややこしいことになっております。
 おおまかに分けますと、

 

コウリトリ目 コンドル科 南北アメリカ大陸のコンドル類
フクロウ目 フクロウ科 フクロウ類
メンフクロウ科 メンフクロウ類
タカ目 ハヤブサ科 ハヤブサ類
タカ科 ハゲワシ類、タカ類、ノスリ類、チュウヒ類、トビ類、ワシ類
ミサゴ科 ミサゴ
ヘビクイワシ科 ヘビクイワシ

  ということになります。最近では、ヨタカ類とハヤブサ類とフクロウ・メンフクロウ類をひとつにまとめてもいいんじゃないか、という考えもあるようですが。

 いずれにせよ、実猟に使われるのは、タカ類、ノスリ類、ワシ類、ハヤブサ類、にほぼ限られます。例外はむろんありますけれど。
 その他の種類も、デモンストレイション等には使われることがあります。
 ただ、何々類といっても中身は多様ですので、最終的には個々の種類ごとの特徴を考えて検討されます。

 そしてこのように、考え得る候補(入手可能性はヌキにして)が世界中の全種になったのは、研究が進み、また飼育下繁殖の技術が一般化した近年でして、歴史的には、その地域にいるものの中から選ばれてきました。つまりは旧大陸の産になります。
 ハヤブサ、アカエリハヤブサ、シロハヤブサ、セイカーハヤブサ、ラナーハヤブサ、ラガーハヤブサ、チゴハヤブサ、チョウゲンボウ、コチョウゲンボウ、アカガシラコチョウゲンボウ、オオタカ、ハイタカ、ツミ、ミナミツミ(シクラ)、ノスリ、クマタカ、イヌワシ、サメイロイヌワシ、カタジロワシ・・・といったあたりが「伝統種」です。
 現在では、アメリカチョウゲンボウ、オナガハヤブサ(アプロマッド)、ニュージーランドハヤブサ、ソウゲンハヤブサ、モモアカノスリ(ハリス)、アカオノスリ、アカケアシノスリ、クーパーハイタカ、アシボソハイタカ、なども、多く商業的に飼育下繁殖され、あるいはその国・地域の捕獲が普通に許可されて、「普通種」となっています。また、これらの間のハイブリッド、トライブリッド、クワトロブリッド等も。
 頑張れば(適法に)入手できる「エキゾチック種」はこの他にも数十種類にのぼるでしょう。

タカとハヤブサとどう違う?

 ごく簡単にいうと・・・
 タカは、木の多いところでの、短距離の狩りに向きます。
 ハヤブサは、木の少ないところでの、長距離の狩りに向きます。
 飼う都合から言えば、タカは糞を後方に飛ばし、ハヤブサはほぼ真下にぽとりと落とすので、ハヤブサのほうが掃除が楽ってこともあります。
 また、これにはいろいろと例外もありますが、タカには棒状の止まり木が適し、ハヤブサには上面が平らな止まり台が適します。
 さらにこれも例外がありますが、タカには頭巾(フード、hood)はあまり使われず、ハヤブサでは多くの場合に使われます。

鷹狩りの面白さって?

 大きく三つがあります。
 ただ観察しているのではなかなか見ることができない狩りの様子を、身近に、度々、見ることができる。
 鳥が自分の思うように動いてくれる。
 獲物が手に入る。

どのぐらい獲物が捕れる?

 諸条件によって大きく異なります。
 へたくそならゼロです。
 うまいひとが、恵まれた条件下で行えば、年に何百、です。たとえばアメリカ(の少なくとも一部)ではイエスズメには禁猟期がありません。一年中狩りすることができます。うまい人は数百を捕ります。
 イギリスでもアナウサギは一年中捕獲できます。うまい人は二百ぐらいは捕ります。
 アメリカのイエスズメ、イギリスのアナウサギはいずれも帰化種なんですね・・・。
 日本では猟期は原則的には11月15日から2月15日までの3ケ月しかありません。北日本では対象によっては10月1日からOKなので、鷹狩りのために移動すると最大4ケ月半、狩りが可能ですが、各地にいい狩り場を見つけておくのは簡単ではなさそうで・・・。
 国内でも、あちこち移動したり、多様な獲物を捕り得るようにいろんな種類の鳥を飛ばしたりするか、あるいはいいカモの付き場が近所にあるかなどすれば、数十は捕れると聞いています。猟期中のほぼ毎日、朝から晩まで歩けば。
 が、そこまで出来る人は多くありませんで、普通か、ちょっとはまっているなァ程度の時間の使い方だと、捕れても10とか20とかが多いようです。
 

どこでやる?

 東北におけるクマタカでのウサギ猟は雪山が舞台ですし、アラブでのセイカーハヤブサによるノウサギやノガン猟は砂漠で、アメリカでのシロハヤブサやハヤブサ、ハイブリッドによるソウゲンライチョウ・キジオライチョウ猟は大平原で行われるものですが、これらはむしろ例外で、人里の農耕地やその周辺の薮、小河川、せいぜい裏山程度が主たる狩り場です。案外人家近くでやるものなのです。
 日本だと、老人介護施設などがあるような町外れの、工事機械がおいてある横のような休耕田なんてイメージです。

何が捕れる?

 普通はあまり鷹狩りとは言いませんけれど、小はトンボなどの虫も捕れます。常識的にはスズメから、ぐらいでしょうか。鳥で大きいほうだと、ツル、ガンなども。ハクチョウ類やアフリカオオノガンの10キロ前後まで。多いのはウズラからキジ、ライチョウなどのキジ科の鳥、カモ類など。
 哺乳類だと、これまたネズミを狙う人はあまりいませんけれど可能ではあります。普通はリスからノウサギで、キツネ、オオカミ、シカ・・・となると、行う人はかなり減ります。

いつ狩りをする?

 基本的に日中です。どちらかといえば、鳥がより空腹になり、真剣さを増す午後が良いとされます。
 ワシミミズクで夜間にノウサギを狙う方法もありますが、一般的ではありません。

 時期、ということになると、各地の法令の制限はまた別として鳥の側の事情でいうと、換羽期は避けたいな、ということがまずあります。飼育下繁殖を行う場合には繁殖期も避けますが、大型種だとほぼ一年中、換羽か繁殖のどれかのステージにはかかってくるので、ある一年に焦点を当てれば、繁殖か狩りか二者択一になりがちです。また、スコットランドのライチョウの猟期は8月12日からで、7月中旬には訓練を開始することになり、換羽期にかかってしまいます。換羽と訓練の両立にはいろいろ苦労があるようです。
 他方、日本の伝統では、6月にバン猟が行われていました。これも換羽期にかかっていますが、「換羽を遅らせる」操作は比較的容易なので、うまくいっていたようです。

雛から育てて使う?

 必ずしもその必要はありません。
 二歳三歳になって完全にオトナになっているとこれは使いづらいものがあります。が、ヒトでいう中高生ぐらいの感じである「その年生まれの個体を秋から」ならば、充分に訓練して使うことが可能です。
 むろん、雛から育てて使うことも可能です。
 どのぐらいの年齢(日齢、週齢、月齢)から馴らしはじめるかによって、やり方は大きく変わってきますが。

雨や雪の日は?

 基本的に問題ありません。ことに雪は、吹雪・大雪でない限り差し支えません。
 雨はちょっと嫌なものです。魚を捕るような種類は別として、鷹狩りで使われることの多い猛禽類の羽はあまり防水性が良くなく、濡れやすく、濡れれば飛びづらくなります。遅くなって狩りの成功率が下がるだけでなく、飛ぶのを億劫がりますので、呼んでも手元に戻るのをためらったりもしますから。
 そのため、傘を差して庇ったり、ビニールで包んだりすることもあります。・・・防水スプレーを吹きつけるひともあります。こうしておくと、少なくとも最初の1フライトは、わりとまともに飛べます。
 むしろ嫌なのは、風、そして霧や大雪による視界の閉塞です。

どんなふうにやる?

 基本的には、

「獲物がいるところまで」
「輸送箱に入れるなどしてクルマで」「猟場について後は拳の上に据えて」連れてゆき、
ヒトが(ときにはイヌの助けを借りて)「獲物を発見し」、
「タカなりハヤブサを放して襲わせる」
 ということになります。
 実際の手順は、法、場所、獲物、鷹の種類、取り扱い者の好み、イヌの性能、などなどによってさまざまのに変化します。
 ただ、ファンタジー小説などにママ見られるような、「鷹が勝手に狩りをして獲物を持ち帰る」ことはまずありません。
 程度の差はあれど、「追跡が成立するお膳立て」はヒトが行うのです。

Home FAQdoor Q一覧 Pagetop

copyright Ikuya Hatano 2002
放鷹道楽/
Dissipation of Hawking
http://astur.jp/

email:astur_hatano-2002 [at] yahoo.co.jp